東証2部「セコニック」(馬場芳彦社長)、組合潰しで救済命令ーTCSグループ入りで労使関係暗転(1)

上場企業であれば、大丈夫。

多くの人が、あらゆる意味でそう思っていますが、じつは、必ずしもそうではありません。

もちろん、会社は、働き手の労働条件を無制限に改善しなければならない訳ではありませんが、少なくとも、チカラで一方的に服従させるのではなく、丁寧な話し合いによって物事を進めていくことは、社会的存在としての最低限のルールといえます。

今日は、東京都労働委員会で救済命令を受けた「セコニック」(東証2部7758)が引き起こした、組合潰しの事件について見ていきましょう。

「TCSグループ」が経営権を獲得、
良好な労使関係に異変

 

組合と会社とは、従来、大きな問題なく、良好な関係を維持していた。

組合は、会社がTCSグループ傘下に入る以前にはスト権を確立することもなく、また、結成以来、どの上部団体にも加盟したことがなかったが、

会社がTCSグループの傘下に入り、新株主は組合を嫌っているとの情報に接したことから、危機感を抱き、22年、A2組合に加入した。

2011年、「TCSグループ」なる企業が「セコニック」を支配下に置き、経営を支配します。なんだろう、と思ってGoogleで調べたところ、1ページ目に「ブラック企業」であると指摘する個人のブログが。

 

私はこの東京コンピュータサービス(以下TCS)のグループ会社にて約2年ほど働いていました。

悪いところはもちろん待遇面です

辞めてしまう人の大体の理由は”お金(給料)”ですからね(退職者から聞いた話)

なんてたって初任給が195000円(住宅手当込)ですから。

ちなみにこの住宅手当は実家暮らしだろうが、一人暮らしだろうが支給されます。

その分すごく基本給が安いです。基本給が安いと賞与(ボーナス)も必然的に安くなります。

ちなみに昇給は毎年あります。ですが雀の涙です。

ひっ……ちなみに、月給19万5000円は、時給換算で1100円になります。

配属プロジェクトによっては残業は1年目からバリバリあります。

三六協定って?なにそれおいしいの?」それがTCSグループの信条です(大嘘)

私の場合は 1年目から炎上プロジェクトのテスターとして派遣させられたので

月の残業時間が80~100なんてことがよくありました

残業時間が80を超えるということは大体休日出勤があります。

土日の片方、最悪の場合は両方なんてこともありました。

なんだかヤバそうなところです。

こんな会社の子会社になり、経営陣も総入れ替えということになれば、組合にも良いことはなさそうです。

そして、早くも、労働条件の切り下げの火蓋が切られます。

冬のボーナス突然「ゼロ」

4月14日、組合とセコニックは、業績不振のためボーナス2割減で合意します。しかしTCS支配下となったセコニックは、10月26日、唐突に「ボーナスは払わない!」と通告。

組合は約束を守れと抗議しますが、どこ吹く風。この件は、結局裁判にまで発展します。裁判上の和解によって、ボーナスは3割減で支払われることになりましたが、約束を守ろうという考え方がそもそも存在しない新経営陣の方針が、ここで露わになりました。

研修対象者のチェックオフの一方的停止

25年6月27日、会社は、組合に、幹部候補者育成研修対象者である組合員ら10名全員を、研修期間(7月5日から26年3月までの9か月)中、組合員から除外するよう申し入れ、組合の同意なしにこれら組合員らの チェックオフを打ち切った。

会社は、その後、当時当委員会に係属していたあっせん事件の期日において、あっせん員 の示唆を受け、チェックオフを再開した。

話し合いの余地などありません。経営権は王権なのですから……と思いきや、労働委員会に注意されて、あっさりあきらめています。

しかし、会社から突然に、「これら10人は、今日から脱退扱ということにさせてもらうから!」と通告が来て、実際組合費も支払われなくなるって、恐ろしいですね。ある日家に警察官が来て、家族のひとりを連行しつつ、「この人は今日から日本人じゃないから、国外退去にします」というようなものです。

そして会長の恫喝発言

こうした中、組合の委員長ら三役(書記長、副委員長)は突然社長室に呼び出され、以下のように恫喝されます。

……組合三役を呼び出し、三役とB2会長及びB1社長とは、1 時間余り面談した。この間、発言したのはほとんどB2会長であった……

「工場を処分してくれって言われている。」
「(前の経営者は)過剰なボーナスを一生懸命払って、過剰な給料をみんなに払ってる。本当はそんなに利益出てなかった。」
「不良の資産で処分して帳簿から落とさなくてはならないのにみんな資産だ資産だって。」
「過去の赤字の遺産がいっぱいあって、それを黒字で今穴埋めしているんですよ。」

と、会社の経営成績が悪いことを(従業員のせいにしつつ)繰り返します。

「何年この会社無配でいると思う。いいかい、あなた方の要求もあるけど、株主の方の要求だってあるんだぜ。」

株主を持ち出しつつ、会長はどんどんエスカレート。

「会社へ来たら要求だけしてればいいと、組合員は権利があるんだと、義務もあるよね、責任もあるよね。」

 「仕事はできません、・・・だけど2年間給料上がんないから給料くださいと、どっちがあれだい。こっちが言っている方が横暴か。」……と述べたほか、

机をたたきながら、「ばかやろう!生産性上げろっていうこと言ってるんだよ、俺は、あなた方に。物事を要求する前にあなた方は仕事をしなさいって言ってるんだ。」

でました、恫喝発言!(※上場企業の会長です)

そして、

君たち一人で中国へ行って来いよ、 じゃあ、頼むから。そうしたらみんな言うこと聞いてやるよ。丸のみしてやらあ、組合の話を。行って来い。」

……副委員長が、これに対し、「参りません。」と述べると、B2会長は、

「それで要求だけはすると。何でできないの。」と問い質した上、

「ということはあなた辞めるってことを意識して言ったわけだよね。中国へ行けないって言ったことはそういうことでしょう。」

「辞めるっていうこ とだよね。」

「要するに会社のそういう人事異動を拒否する、できない っていうことは辞めるということしかないよね、道は。」

理由も行き先も示さず、唐突に「ひとりで中国に行け!」と言い立て、イヤだというと「辞めるっていうことだよね。」コワすぎます。

社長も負けてはいません。(※上場企業の社長です)

社長は、「一番重要なことを忘れて、やれ団交だ、やれ何だかんだって言ってる場合じゃねえぞと、三六協定がどうのこうのと、どうでもいいや、あんなものは。」と発言した。

労働基準法第36条は「どうでもいい」そうです……組合はこのころ、ボーナスのカットに抵抗して36協定(残業時間の上限を定め、その限度において、残業に係る刑事責任を免除する協定)の締結を拒否していたので、セコニックは労基署がいつでも入りかねない状態になっていたのですが、見事に開き直ります。

ここで、命令書では「B1社長」などとマスキングされている経営陣の顔ぶれを、当時の有価証券報告書からひもといてみましょう。

会長=高山允伯氏 社長=馬場芳彦氏
いずれも親会社のTCSグループ出身

さっそく、当時の有価証券報告書を見つけることができました。

有価証券報告書によれば、在任時期から見て、会長は高山允伯氏、社長は馬場芳彦氏。

 

ウィキペディアによれば、KIGYOKA.comから引用した高山氏の発言として

経営観について、「社長の方針に従う人を残せばいいのであって、社員の定着性のいい会社を目指す必要はない」「人材を多く採用するために多くの会社を作る」と語っている[9]

……だそうです。

資産や商品と同様に、その時々に応じて人を自由に入れ替え、会社の数を増やして、実際には全部がTCSグループ支配下のブラック企業であることを悟らせない、ということでしょうか?

高山氏は今年に入ってから肝不全で死去されたそうですが、馬場芳彦氏はご存命。

 

馬場芳彦社長「一番重要なことを忘れて、やれ団交だ、やれ何だかんだって言ってる場合じゃねえぞと、三六協定がどうのこうのと、どうでもいいや、あんなものは。」

馬場芳彦社長、一番重要なことは、あなたとTCSグループが法令を遵守することだと思うのですが……?

その上、まるで尋常ではない人のような言葉遣いです。

(馬場芳彦社長。(引用元)

TCSグループ・セコニック(馬場芳彦社長)は採用活動継続中。
転職・就職の際はボーナスゼロを覚悟の上、くれぐれもご注意を!

TCSグループ・馬場芳彦社長の株式会社セコニックホールディングスは、現在も採用活動を継続中です。

働く仲間
若い力を求めています!
弊社グループの平均勤続年数は約17年。
多くの社員が長く安定して働いております。
平均年齢は約45.7歳ですが、年齢による壁を感じることはありません。
現在は新商品開発や新事業立ち上げの為、積極的に若手を採用しております。
若手社員の人数は少ないですが、部門を越えての交流を積極的に行っています。

「若い力を求めている」「多くの社員が長く安定して働いております」とうたうセコニックですが、
都労委の命令書によれば、組合を潰すため、関連会社からの出向を悪用していたことが認定されています。

3 従業員の新規採用状況

⑴ 関連会社による採用

① 24年4月にC1会社が設立されて以降、会社は、従業員を新規採用する際、会社では直接採用せず、関連会社であるC1会社 、申立外C6会社 (以下「C6会社 」 という。)及び申立外C7会社で採用の上、会社に出向 させるという方法をとってきた。一方、会社は、この間、中途採用の管理職については直接採用した。

 

セコニック、馬場芳彦社長のいう「安定」とは、組合に加入することもできず、社長にたてつくと中国への転勤を突然迫られ、

何らの協議なくボーナスをゼロにされるという、会社に隷属した状態における「安定」をいうのです。

ふと目にとめた命令書でしたが、『ぶられぽ.com』は、とんでもないブラック企業を引き当ててしまったようです。次回も、引き続いてセコニック事件を扱います。

 

※冒頭の写真は、日刊工業新聞社より引用したものです。

2 COMMENTS

abc

TCSグループで務めている人、今も、たくさんいると思う。その人たち言いたい。早くその会社を辞めろ!と。TCSグループで働いている人は、安い給与で働いているから被害者に見えるが、実はそうではなく、加害だだと思っている。なぜなら、得た利益が会社の買収に使われ、買収先の労働組合つぶしが起こるからだ。TCSの労働組合つぶしは調べれば出てくるし、Wikiにも載っている。

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