東証2部「セコニック」(馬場芳彦社長)ー「ユニオン・ショップ協定は解消するが、出向者の組織は認めない」(2)

上場企業であれば、大丈夫。

多くの人が、あらゆる意味でそう思っていますが、世の中甘くありません。

もちろん、会社は、はたらく人の労働条件を無制限に改善しなければならない訳ではありませんが、少なくとも、チカラで一方的に服従させるのではなく、丁寧な話し合いによって物事を進めていくことは、社会的存在としての最低限のルールといえます。

今日も、東京都労働委員会で救済命令(会社敗訴)を受けた「セコニック」(東証2部7758)が引き起こした、組合潰しの事件について見ていきましょう。

「ユニオンショップ協定を解除しろ」

馬場芳彦社長「一番重要なことを忘れて、やれ団交だ、やれ何だかんだって言ってる場合じゃねえぞと、36協定がどうのこうのと、どうでもいいや、あんなものは。」

関連会社で新規採用を行う手法による組合員加入妨害、そして、ボーナスゼロ、社長による「36協定などどうでもいい」発言などなど、TCSグループに乗っ取られ、完全に雰囲気が変わってしまった「セコニック」。

そして、ついに馬場社長らは、組合の解体に着手します。ユニオン・ショップ協定の解消です。

そして、後日提示された「改定案」とは………

ユニオン・ショップ制からオープン・ショップ制への変更

本件労働協約第3条では、従業員は全て組合員とすること(以下「ユニオン・ショップ制」という。)を規定した上で、一定の職にある従 業員を組合員の範囲から除外していたところ、会社は、同条の規定を以下のとおり改定し、ユニオン・ショップ制からオープ ン・ショップ制に変更することを提案した。

時間内組合活動の無給化

本件労働協約第83条及び第84条の規定により、組合員は、団体交渉、労使協議会、A2組合の定期大会等への参加等10項目について、有給での時間内組合活動が認められていたが、会社は、時間内組合活動は全て無給とすることを提案した。

TCSグループ以前のセコニックで、労使の話し合いの上で築き上げられてきた合意のちゃぶ台をひっくり返す内容ですね。

ユニオン・ショップ協定解消を巡る議論

ユニオンショップ制からオープンショップ制への変更とは、

「従業員は全員、組合員でなければならない」という条件を、「従業員は、組合員であっても、なくても構わない」という条件に変更することです。組合にとっては、ただちに組織の消滅につながりかねない内容。

「社長の方針に従う人を残せばいいのであって、社員の定着性のいい会社を目指す必要はない」

「人材を多く採用するために多くの会社を作る」

(引用元:KIGYOKA.com)

……を経営理念とする高山允伯会長のセコニックからすれば、約束を反故にしてボーナスをゼロにすると宣言したところ、会社を相手取って「ボーナス払え!」という訴訟を起こしてくる組合は、目の上のこぶです。

セコニックは、ユニオンショップ協定解消の趣旨を以下のように説明。

既に関連会社採用→出向のテクニックでユニオン・ショップ協定を無力化しているにも拘わらず、ユニオン・ショップ協定のせいで「多様な価値観の人」を採れないという説明には、若干の矛盾を感じます。

この提案に対し、組合は、

ちょっと長くなってしまいましたが、要するに、

組合「たしかに今はユニオン・ショップ制だから、原則としては全員が組合に加入しなければならないことになっているが、例外として「労使で協議して定めた者」は組合に加入しなくてもよいことが規定されている。

だから、会社が懸念しているという、ユニオン・ショップ制がイヤだからセコニックに入らないという人が実際に存在するならば、この例外規定を活用して、組合加入義務を免除すればよい。

したがって、会社の懸念するところは、ユニオン・ショップ協定自体を解消しなくても解決できる。」

ということです。

しかしセコニック側はあくまでもユニオン・ショップ協定解消にこだわります。また、他の点について、組合はほとんどを譲歩しているのですが、セコニックは、全部を呑むのでなければ済まさない、と迫ります。

オープンショップ制でも出向者は組織しちゃダメ

またセコニックは、組合への加入が任意となるオープンショップ制を採った場合でも、関連会社採用の出向者など、「社員以外」を組織することは認めないと主張します

組合としては、ユニオン・ショップ制の解消で組織維持の途が断たれるにも拘わらず、その後自由に組織を拡大することも認めないということでは、組合潰しであると考えざるを得ません。

そして決裂へ……

By Kentin , CC 表示-継承 4.0, Link
セコニック本社が入居するショッピングセンター

セコニックからの要求事項は多岐に亘りましたが、そのうちほとんどを受諾した上、法律上労働組合に加入できない者のみを除外する条件であれば、オープンショップ制への変更をも許容すると回答したセコニック労組。

しかしセコニックは、ユニオン・ショップ協定を解消する上、直雇用の者以外は組合に加入させないという条件にこだわり、部分的な妥結も拒否し、交渉は決裂します。

長い争議の幕開けです。『ぶられぽ.com』では、引き続きこの事件を取り上げます。

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