机叩き「ばかやろう!生産性上げろ!」……『恫喝会長』支配するTCSグループの評判(1)

※TCSグループ公式サイトより引用

TCSグループ」という、悪名高い非公開企業が存在する。
もとは「東京コンピューターサービス」といったが、M&Aを繰り返して企業集団を拡大し、現在は純粋持株会社となり、「TCSホールディングス株式会社」を名乗っている。

TCSのホームページを見る限りでは、一般的なIT企業にしか見えないはずだ。ところが、TCSグループはただのIT企業ではない。傾きはじめた企業を買収し、そこでの労使関係を破壊することによって——特に、労働組合を、暴力的な手段まで用いて徹底的に攻撃することで——従業員を低賃金で使い倒し、それによって収益を上げてきた存在なのだ

記事タイトルの発言をおこなった髙山允伯・前会長は、既に故人となっている。しかし、その恐ろしいまでの搾取の傷跡は、TCSグループの傘下になったどの企業でも観察できる。

ここでは、TCSグループの主な企業とそこで起こった事件と現状を、ざっと概観したい。

東京コンピュータサービス株式会社

TCSグループの「親玉」ともいえる中核企業。上記の恫喝会長が、創業期の出来事を語ったインタビュー記事が残っている。

 創業のときの最初の仕事は、ある縁で損害保険料算定協会のコンピュータ室の管理を受注しました。就業時間後の夜間の管理を請け負ったのです。そのとき、大変ユニークな契約をしました。協会からは管理費を1円もいただかず、代わりに管理時間1時間につき、30分のコンピュータの使用権をいただいたのです……(中略)
ただ実際は、日々混乱の毎日でした。私自身、コンピュータの知識がなく、専属の従業員もいない。学生バイトを20数名確保して業務をこなすような状況だったので、トラブルが多発、その対応に追われました。

その後、ベテラン社員の不満が爆発し、「社内に『社長辞めろ』の怒号がこだま」する「税理士資格を持った人が入社してきたので経理部長に就けたところ、その人物は過去に詐欺事件を起こしていて、なんと在職中に逮捕」されるなど、紆余曲折がありながらも、2008年時点で売上規模は1800億円にまで成長。リーマンショックによる落ち込みもあり、近年では、1200億円前後とみられる。

当然、東京コンピューターサービスには労働組合などないが、各種の転職サイトなどから、従業員(を名乗る)人物の声をうかがい知ることが出来る。

入社後5年経つが、基本給がずっと13万円台
「技術手当、家族手当、住宅手当などありますが基本給が少ないため総額でも非常に安いです」Vokersより

従業員の悲鳴が伝わってくるようだ。なお、引用元であるVokersによれば、同社の満足度ランキングは業界4545社中、4530位。年商規模からいえば堂々たる大企業のはずが、下位0.3%にランクインしている。

低賃金は、TCSグループの各企業に通底する問題のようだ。いちいち紹介するときりがないので、転職サイト上の、現・元従業員という投稿者の悲鳴を一覧表にまとめてみた。

<TCSグループ:従業員の声>

企業名 投稿日
コンピュートロン株式会社 2015年8月(引用元:就活会議)
家族を養える給与ではありません。諸手当込みで、23万。税引後で、18万。
妻と子供を抱えた世帯では、極度に生活を切り詰めても21万円です。」
毎月、貯蓄を貯蓄を切り崩して生活しています。もう限界です。一刻も早く、泥舟から逃げ出そうとしています。
見た目は、巨大企業のTCSグループの構成企業で、良いと思いましたが、現実は、全く違いました。
コンピュートロン株式会社 2013年9月(引用元:就活会議)
「年収の低さが一番の理由です。
また、半日休暇がなかったり、ホテル暮らしを数カ月も続けなくてはならなかったことです。」
コンピュートロン株式会社 2011年10月(引用元:就活会議)
20代半ばで残業なしの手取りが約20万円 賞与手取り30万円未満
結婚を考えていたので、この給与では生活できないと思い退職しました。」
エヌ・ティ・ティ・システム開発株式会社 2013年10月(引用元:就活会議)
残業しないと手取りが16万位、昇給も無いに等しいいので、5年目でもほぼ同じ。
私の在籍時は、リーマンショックの影響で仕事がなく、ずっと16万程度の時期が続き生活ができなかった。
あと、リーマンショック時に待機者を容赦無くリストラしていたので、この会社にいるのは無理だと感じた。
特に、自分が教育していた新人を容赦なくリストラし、泣き崩れたのを見た時は死ぬほど辛かった。

……などなど、枚挙に暇がない。規模の関係からか、目立ったレビューがないハイテクシステム株式会社株式会社サイプレス・ソリューションズ、シグマトロン株式会社なども、状況は似たようなものだろう。
というのも、両社は前述の従業員満足度ランキングにおいて4545社中4539位(ハイテク社)4541位(サイプレス社)、4503位(シグマトロン株式会社)と、狙っても取れないような最下層を独占しているからだ。

また、ITコンサルタント業を手掛けるという完全子会社のTCSビジネスソリューションズ株式会社も、設立1年にして商号変更をしているため情報の蓄積が少ないが、国立群馬大学に採用の触手を伸ばすなど、活発に活動しているようだ。
<左図:商号変更を告げる同社の記事。リクナビより引用>

 

<続く>

 

参考

髙山允伯・前会長による恫喝発言の詳細記事。当報道局独自の見解ではなく、中央労働委員会で認定された「事実」である。

東証2部「セコニック」(馬場芳彦社長)、組合潰しで救済命令ーTCSグループ入りで労使関係暗転(1)

 

※キャプション画像は、同グループの全容を説明するため、TCSグループ公式サイトより引用しております。

 

 

 

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